小島さんからの直前のメッセージ
こんにちは。
前回は18日の第打1日目をご紹介いたしました。
今日はコンサート第2日目のご紹介!!!!
がらっと雰囲気を変えて。
たくさんの笛が一緒に鳴るヨーロッパの歴史的な楽器、オルガンに日本の伝統的な竹の笛、尺八がたった一本で挑みます。
加藤さんとは昨年秋に軽井沢でご一緒した後、いくつかのコンサートを経て、2人でいろいろ試したり話あったりしながらすこしずつ、尺八に合うもの、合わないものを探ってきました。
この楽器の最大の特徴は、音と音の間にある、楽譜には書き表すことができない高さの音も表現できるということ。
イタリアバロック最大の作曲家、フレスコバルディの半音階的リチェルカーレはそんな尺八の響きに驚くほどぴったり合います。半音階の感じがより強調される、音と音の間を自由に行き来する奏法、そして加藤さんの奏でる霊的ともいえる音色は圧巻です。
また、オルガン曲のなかで一番有名なあのトッカータニ短調に、尺八にもアドリブで参加していただきます。加藤さんは即興的な演奏もお手のもの。とんでもなく斬新で、バッハもびっくり!するようなトッカータが生まれるかもしれません。
さらに今回は、オルガンと尺八のためにつくられた曲をぜひプログラムに加えたい、という思いから、オルガニストの酒井多賀志氏が作曲された「オルガンと尺八の為の対話」を演奏します。尺八本来の厳密なピッチにこだわらない、西洋の楽器からすると不安定な美しさ、曖昧な良さを存分に生かしながら、オルガンとの刺激的な対話が繰り広げられます。
加藤さんはひとたび演奏する段になると、すっと姿勢が正されて、腰がしっかり決まって「気」が入ります。その場の空気が一瞬にしてぐっと締まるのを感じます。私も彼が作り出すそのすごい空間に、なんとか必死で食らいついていきたいものです。
さあ、どんなサプライズが生まれるでしょうか。
9月の軽井沢の心地の良い風と午後の陽射しの中で、美味しいお料理と音楽をお楽しみください。お待ちしています!
小島 弥寧子